ドローンを使う撮影
SUPでは下れないような難所(ホワイトウォーターとか)

川によっては、SUPで下ることが難しい難所があります。このような時は、無理せずにドローンの力を借ります。SUPで下ることが目的ではありません。川のストリートビューを作成することが目的ですので、安全第一で活動したいです。
水量の少ない流域(源流近くなど)

そもそも水の量が少ない場所はSUPで下ることができません。徒歩での撮影も可能な場合がありますが、山中の岩がゴツゴツしていたり、苔が生えていて滑りやすくなっているので無理は禁物です。この辺りになってくると、川の両岸から木立が茂っていることが多く、ドローンの撮影も注意を要します。
撮影に必要な機材
ドローン
・DJI MAVIC Air2

すでに過去の投稿でも登場していますが、DJI MAVIC Air2です。この機体に360°カメラを装着し、飛行させていますが、Airが必要最低限の大きさという印象です。正直に言ってしまうと、機体に対してカメラの重量が大きいため、バッテリーの消耗や安定性など、撮影の時はヒヤヒヤすることが多いです。Miniもありますが、どう考えても川の上をカメラ付きで飛行させるのは難しいでしょう。
マウントブラケット(ドローンとカメラを接続するためのもの)
Mavic Air 2 / Air 2S パノラマカメラ 360° マウントブラケット


ドローンとカメラを接続するためのアタッチメントにはいくつか選択肢があります。
① 機体の下にカメラを設置する(機体の上には乗せない)
これには理由が二つあります。一つ目は機体の安定性を高めるためです。機体よりも上にカメラを設置すると重心が高くなってしまい、パランスが悪くなります。
二つ目は、撮影した動画の川部分にドローンを被せたくなかった、ということです。せっかく川を撮影しているのにドローンで隠れてしまっては残念な感じになってしまいますよね。
ちなみにこのマウントブラケットは、機体の上にもカメラを設置することができるタイプです。一度使用したのですが、操作が怖すぎて二度目はとても使用できませんでした。フラフラ〜と空中を漂う姿が、もう、明らかにバランスを失っている様子でした。
中華製ですが、たぶん3Dプリンターで出力している代物です。私自身、3Dプリンターで遊んでいるので機会があれば自作してみたいと思っています。
② 機体から可能な限り距離を取る
機体の下にカメラを設置すると決まったら、次はどのぐらい機体から離すか、ということが問題になります。
機体とカメラの距離は、離せば離すほど安定性は低くなります。一方、機体とカメラの距離が近すぎると、動画の撮影範囲に対するドローンが占める割合が高くなります。
機体バランスと画像にドローンが占める割合を考慮した結果、今回のマウントブラケットとしてみました。実際に付けてみないとわからなかったのですが、バランスとしては絶妙!という感じです。

Google Street Viewのヘルプには、撮影された画像に占めるカメラサポートシステム(今回に関してはドローン)に関する記載があります。ここには、カメラの下にカメラサポートシステムを付けるべし!と読み取れる部分があります。
こんなにはっきり書かれているのであれば、やっぱり下につけないとダメなんでしょうかね。
とりあえず、ダメ元でやってみましょう!!
360°カメラ
Insta360 OneX2

Inta360 one X2をドローン装着用のカメラとしています。理由は以下の通りです。
持っているカメラの中では一番安い
ドローンを川の上に飛ばすということは、色々なリスクがあります。風に煽られて操作ができなくなったり、センサーが感知できない木の枝にぶつかったり、バッテリーが足りなくなって途中で緊急着陸してみたり・・・、考えただけでもリスクしかありません。そして、そのドローンの下にカメラを設置するという度胸試しのようなことをしなければならないのです。
湯水のようにお金が湧き出てくる訳ではないので、生贄は一番安価なInsta360 OneX2となります。
軽い
Insta360 OneX2, Insta360 X4, Theta Xで、最も軽いのはInsta360 OneX2です。ここにGPSアクションリモコンが上乗せされることになります。
型名 | 重量 | 寸法 (幅×高さ×奥行き) | バッテリー容量 |
---|---|---|---|
Insta360 OneX2 | 149g | 46.2 × 113 × 29.8mm | 1630mAh |
Insta360 X4 | 203g | 46 x 123.6 x 26.3mm | 2290mAh |
RICOH Theta X | 170g | 51.7 × 136.2 × 29mm | 1350mAh |
GPS
GPSアクションリモコン

ドローンにカメラを装着して飛行させるため、距離の都合からスマホのGPS情報を取得することができません。そこで、GPS情報の取得方法として選択肢となるのは、GPSアクションリモコンをドローンに装着する方法と、ドローンの飛行記録からGPSデータを取得する方法です。
ドローンのGPSデータを取得して、投稿の際に利用する方が効率的ですが、技術的に未熟なので現時点では、GPSアクションリモコンをドローンに装着してGPS情報を動画データに埋め込む方法をとっています。
GPSアクションリモコンの影響なのか再現性がないためはっきりとは言えないのですが、ドローンのGPSと干渉してしまい、ドローンが捕捉できるGPSの数が少なくなる現象が見られます。飛行の際に不安定な状態になることがあるので注意が必要かもしれません。

日本ではドローンを飛行させる場合、DIPS(ドローン情報基盤システム2.0)に機体登録を行うことが必要です。今回のような機体の改造を行う場合、改造の申請が必要となります。私もよく分からないながらも改造申請を行い、認可をいただいております。
離着陸用台
ドローンの下側にカメラが設置された状態で離陸するため、手で持つか、カメラが収まる離着陸台から離陸させる必要があります。
手で持つ場合、片手がドローンで使われてしまうため、スティックを操縦するのがとても難しくなります。そこで、近くのダイソーで折りたたみ式の簡易テーブル(¥500?)を購入し、離着陸台として生まれ変わってもらうことにしました。


ドローンの飛行可否の確認
川は基本的にはドローンの飛行が可能なのですが、河川管理者によっては飛行が制限されている場合があります。私は撮影の前に、撮影を行う河川管理者に事前に確認を行ってから撮影を行っています。その際のメールの返信は以下の通りです。
お世話になっております。
河川区域内のドローン撮影についてのお問い合わせを
いただいた件についてですが、河川法では基本的に制限はございません。他法令を遵守していただき、また川に親しんでいる他の方々にご注意の上使用してください。
よろしくお願いいたします。
国が管理する1級河川は、ドローンの飛行が禁止されていることが多く、この許可を取ることは容易ではありません。公的な利益や県からの依頼などの大義名分が無いと基本的には難しい印象を受けました。
県や市などが管理する河川については、特に制約がない場合が多い印象です。でも念のため確認してから飛行させましょう。
投稿
過去の投稿ですでに紹介済みですが、ドローンで撮影した動画をGSVstudioで投稿して、無事に処理済みとなったものです。
青線

撮影方法は、離着陸台から離陸する前にGPSアクションリモコンで撮影を開始し、ドローンの飛行と一緒に歩きながら撮影を行いました。400m程度の飛行でしたが、時速4~5km程度で8K, 30fpsで撮影を行いました。
少し山の中での撮影だったためか、撮影終了後に離陸地点に戻ってきたら荷物が小動物に荒らされていました・・・。
ストリートビュー
紅葉シーズンであれば、非常に美しい風景が広がる撮影地なのですが、冬の撮影だったので少し寂しい感じになっています。大変人気な観光地でもあるので、朝7:00頃に突撃して10分ぐらいで撮影したものです。
ドローンが画像の上部に映り込んでいる
画像内にかなりの割合でドローンが映り込んでいるにも関わらず、処理が完了して公開されています。GoogleのGSVヘルプには、カメラマウントに関する記載がありましたが、上部にカメラマウントがある場合でも処理が完了できる、ということが分かります。

開始点が離陸前の状態の画像になっている
成果というより、私自身の未熟な点でもあるのですが、離陸前から撮影を開始していたため、動画の始点は離着陸台となります。始点を編集して離着陸台から離陸した後の動画を投稿すれば良かったのですが、離陸前からの動画で投稿してしまっています。GSVの先輩方々から怒られそうです。

まとめ
ドローンを使ってGSVに投稿する一連の流れを書いてみました。参考になりましたでしょうか。もし、もっと良い方法をご存知でしたら教えてください!
注意点
河川法と河川管理者の規制
- 河川法は、河川や河川敷でのドローン飛行自体を直接禁止していません。しかし、河川の適正な利用を妨げる行為は禁止されており、ドローン飛行がこれに該当すると判断される場合があります。
- 河川管理者は、河川の管理権に基づき、ドローン飛行の自粛を求めることができる場合があります。
- 河川によっては、ドローン飛行が禁止されている場合や、一時使用届の提出が求められる場合があります。
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